頭頸部外科
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原著
頭頸部がん診療の均てん化には何が必要か
一地方病院における中・下咽頭,喉頭がんの治療成績から
西村 俊郎
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2012 年 22 巻 2 号 p. 163-167

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抄録

地方病院における頭頸部がん診療の均てん化への課題を念頭に,当科で2006年4月から5年間に根治目的で治療した症例を検討した。また2008 年院内がん登録全国集計から,口腔咽頭,喉頭がんの登録数を施設ごとに集計した。全症例139例のうち中・下咽頭,喉頭の進行がん(III,IV期)は36例で,その多くは化学放射線療法で治療され,病因特異的3年生存率は70%で,3年喉頭温存率(中咽頭除く)は58%であった。また口腔咽頭,喉頭がんの登録のあった全国218施設中で,40例未満は121施設であり(当科は33症例)地方には少数例を診療する施設が多くあり,診療の質の均てん化は喫緊の課題であると考えられた。

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© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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