頭頸部外科
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原著
舌扁平上皮癌T1N0,T2N0症例の検討
~手術療法と小線源療法の比較~
得丸 貴夫杉本 太郎角田 篤信有泉 陽介清川 佑介野村 文敬岸本 誠司
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キーワード: 舌癌, 手術療法, 小線源療法
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2012 年 22 巻 2 号 p. 181-185

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抄録
1998年1月~2009年12月までに当院で一次治療を行ったstage I・II舌扁平上皮癌64例を対象として検討を行った。Kaplan-Meier法による3年原病生存率,局所制御率は手術療法群ではstage I(n=20)で90.0%,90.0%,stage II(n=10)で80.0%,100.0%であった。一方,小線源療法群ではstage I(n=10)で,90.0%,63.0%,stage II(n=24)で81.2%,80.6%が得られた。局所制御において手術療法のほうが良い傾向はあったが統計学的な有意差は認めなかった。3年経過時点の後発頸部リンパ節転移の出現率は,手術療法で33.5%(n=30),小線源療法で30.3%(n=34)であった。両者に統計学的有意差を認めなかった。後発頸部リンパ節転移の制御率は,全体で63.6%であった。3年原病生存率,局所制御率,後発頸部リンパ節転移出現率に手術療法と小線源療法との間の治療成績に有意な差は認めなかった。
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© 2012 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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