頭頸部外科
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手術手技セミナー5
頸部郭清術
―新鮮例と救済例における手術手技の違い―
別府 武
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2018 年 28 巻 1 号 p. 5-7

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抄録
頸部郭清術は,頭頸部悪性腫瘍の頸部リンパ節転移に対する制御を目的に行われる標準的な術式であり,頭頸部外科の手術手技において基本となるものである。近年,新鮮例のみならず,化学放射線療法後の残存,再発例に頸部郭清術が施行される機会が増加している。救済例の手術では手順やアプローチ方法,切除すべきもの保存すべきものの選択と判断などの点では新鮮例に比べ特に相違はないが,瘢痕部分を剥離する際の器具の選択,使用順序が異なる。剥離操作では新鮮例に比べより慎重かつ安全確実な手技が要求される。また,死腔形成の防止,残存側に血流の悪い組織を残さない工夫,縫合の緊張を回避する工夫なども重要である。
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© 2018 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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