頭頸部外科
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原著
当科における局所進行喉頭癌cT3例の治療成績
渡邉 佳紀田中 信三平塚 康之吉田 尚生草野 純子森田 勲北野 正之山口 智也隈部 洋平
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2019 年 29 巻 1 号 p. 47-51

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抄録
局所進行喉頭癌clinical T3例に対する喉頭温存治療として,化学放射線治療(以下,CCRT)が提示されている。当科では,2013年までは喉頭全摘出術(以下,TL)を基本とし,3年生存率は100%と良好であったが,3年喉頭温存率は20.5%と低かった。2014年からは,CCRT,セツキシマブ併用放射線治療(以下,BRT)を方針に含めたので治療成績を報告する。対象は,当科で初回根治治療を行い,治療後1年以上追跡可能であった20例。傍声帯間隙浸潤例はCCRT/BRT,喉頭固定例はTLを基本とした。局所再発・残存例は2例で,いずれもBRT例であった。CCRT/BRT群とTL群で,3年疾患特異的生存率はそれぞれ90.0%,100%で有意差はなかった(p=0.44)。3年喉頭温存率は50.0%に向上した。
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© 2019 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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