2019 年 29 巻 2 号 p. 229-234
UICC/AJCC第8版TNM分類の改定に伴い,原発不明頸部転移癌の診断には,組織検査によるHPV, EBV関連の有無の検討が必須となった。今回われわれは,2017年11月1日から2018年6月30日までの8か月間に当科を受診し,臨床的に原発不明頸部転移癌が疑われた4症例に対し,CNBによる組織採取を行い,p16(免疫染色),EBER-ISHの検討を行った。結果,全例において,外来局所麻酔下のCNBによる組織採取が可能だった。また,出血や気道狭窄などの合併症の出現を認めなかった。採取された組織での病理学的検討を行った結果,p16,EBER-ISHの評価が可能であった。結論,原発不明頸部転移癌において,CNBによるHPV, EBV関連癌の検討は可能であり,治療前の組織採取方法として有用と考えられた。