頭頸部外科
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症例
術中透視が有効であった下咽頭粘膜下迷入異物の一例
矢島 雄太郎紫野 正人安塚 孝治井田 翔太新國 摂近松 一朗
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2020 年 29 巻 3 号 p. 355-359

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抄録
粘膜下に迷入した咽頭異物は位置同定と摘出が困難となることが多い。今回,粘膜下迷入異物の摘出に術中透視が有効であった1例を経験した。症例は74歳の男性。サバ干物の摂取後から咽頭痛・違和感を自覚して前医を受診した。ファイバーでは咽頭に異物はなかったが,CTで線状異物が確認されたため紹介となった。バイアスピリン休薬期間に消炎したが,CTおよび頸部X線で線状異物が残存しており,手術で経口的摘出を試みた。術中,異物は咽頭腔内に露出しておらず,位置把握のために透視を使用して粘膜下異物を同定して摘出した。摘出異物は術前に考えられた魚骨異物ではなく線状の針金異物であり,サバ加工時に混入したものと想定された。
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© 2020 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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