頭頸部外科
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症例
口蓋扁桃腫瘍を呈したpolymorphous adenocarcinomaの1例
加藤 光彦井上 準川崎 朋範松村 聡子久場 潔実蝦原 康宏中平 光彦菅澤 正
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2023 年 32 巻 3 号 p. 271-275

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抄録
中咽頭は小唾液腺癌の発生部位のひとつであるが,その診断には難渋することがある。Polymorphous adenocarcinoma(以下,PAC)は小唾液腺に好発する唾液腺癌である。今回,口蓋扁桃腫瘍を呈したPACを経験した。症例は57歳女性。咽頭違和感を主訴に近医を受診した際に左口蓋扁桃腫瘍を指摘され,当科を紹介受診した。CTで左口蓋扁桃に潰瘍を伴う腫瘍を認めた。全身麻酔下の生検でPACと診断され,再建手術が施行された。術後病理で正常な口蓋扁桃組織は残存しており,扁桃窩の小唾液腺由来の腫瘍が口蓋扁桃腫瘍を呈したと考えられた。口蓋扁桃腫瘍の鑑別として唾液腺癌も考慮する必要がある。
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© 2023 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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