頭頸部外科
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血管柄付き遊離組織移植における皮弁壊死への対策
西川 邦男冨永 進門田 伸也森下 常磐永田 基樹
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2000 年 10 巻 1 号 p. 23-38

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抄録
 著しい動脈硬化症例や放射線根治照射および再手術のために良好な移植床動脈がない場合,血管柄付き遊離組織移植は困難であり,皮弁壊死を惹起する可能性は大きい。良好な血流のある血管の選択と内膜を正確に吻合することが術後動脈血栓予防の最大のポイントである。一方,静脈血栓の原因の多くは血管の捩れ,周囲組織からの圧迫,持続ドレーンの吸引によるものである。遊離組織移植の成功率を向上させるために我々が導入した主な手法は,内頸静脈端側吻合法,抗凝固療法,頸動脈端側連続吻合法である。その結果,血管吻合困難症例に対する遊離組織移植の適応を拡大することができた。
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© 日本頭頸部外科学会
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