頭頸部外科
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頬粘膜下に発生した神経鞘腫の一症例
小山 訓子鈴木 さおり斉藤 慶子河野 聖美吉原 俊雄
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2002 年 12 巻 3 号 p. 137-141

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抄録
 神経鞘腫はシュワン細胞由来の良性腫瘍で,全身のいたるところに発生する。頭頸部領域は比較的好発部位で,なかでも舌・頸部・咽頭に多くみられる。今回我々は頬粘膜下に発生した神経鞘腫を経験したので報告する。症例は47歳男性。半年前より右頬部腫瘤が出現,硬くなったため受診された。右頬部に直径約20mmの境界明瞭な腫瘤を触知した。CTでは,低吸収で不均一に造影された。MRIでは,T1低信号,T2比較的高信号,Gd-DTPAで不均一に造影された。歯齦部より腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的にはAntoni A型の神経鞘腫であった。術中起源神経は同定されず,術後も神経脱落症状は認められなかった。
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© 日本頭頸部外科学会
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