2004 年 14 巻 2 号 p. 145-149
頭頸部領域では上顎骨や下顎骨の欠損に骨性再建を要する場合がある。血管柄付き移植では,腓骨や腸骨,肩甲骨等が頻用されている。肩甲骨弁については体位変換が煩雑で再建手術をさらに長時間化する欠点がある。最近我々は肩甲骨の可動性を利用して仰臥位で採取する方法を試みている。この方法では手術開始前に一度体位をとれば,以後体位変換の必要はなく準備が簡素化した。現在まで4例に行い平均の採取時間は127分(115-145分)であった。欠点として長い骨弁や大きな皮弁を採取できないことがあげられるが,短い骨弁と口腔咽頭領域に使用する小型の広背筋連合皮弁の採取には有利であった。