頭頸部外科
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眼窩内膿瘍の4症例
米澤 宏一郎岩江 信法長谷川 稔文原 聡
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2006 年 16 巻 2 号 p. 119-123

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抄録

 眼窩内膿瘍は眼窩内軟部組織の急性化膿性炎症が進行した比較的稀な疾患であるが,悪化すると髄膜炎,海綿静脈洞血栓症,硬膜下膿瘍などの重篤な合併症を引き起こす危険性がある。そのため,その診断と適切な治療が重要となる。今回我々は,眼窩内膿瘍に対する観血的治療を施行した4症例を経験した。4症例はいずれも副鼻腔炎に起因したものと考えられたが,炎症の波及経路はそれぞれ異なっていた。全例で治療により症状の改善を認めた。保存的治療で症状の改善を認めない症例や画像所見で骨破壊を認める症例では眼窩内腫瘍との鑑別も必要となる。したがって,診断を確定する目的においても観血的操作は必要と思われた。

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