頭頸部外科
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複合療法による硬口蓋癌,上歯肉頬溝癌の遠隔成績と硬口蓋切除,再建後の口腔機能の評価
今野 昭義野本 実根本 俊光鈴木 晴彦寺田 修久岡本 美孝
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1992 年 2 巻 p. 183-193

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抄録
 5FU動注併用Linac X線照射後に初診時の進展範囲に応じた切除術を行った硬口蓋癌,上歯肉癌,上歯肉頬溝癌の5年粗生存率はそれぞれ11/14(78.6%),8/10(80.0%),4/6(66.7%)であった。硬口蓋癌では原病死はないのに対し,上歯肉癌,上歯肉頬溝癌では死因の3/4は局所再発であらた。22例について口蓋広範囲切除後の再建法と術後機能の関係を検討した。いずれの方法を用いても口蓋欠損部の閉鎖により,構音障害,嚥下障害は防止できた。特に遊離肩甲骨皮弁利用例では術後の顔面形態も優れていた。しかし,軟部組織による再建例と比較して,術後口腔機能上の改善は著明ではなかった。
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© 日本頭頸部外科学会
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