頭頸部外科
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声門上癌NO症例の予防的頸部郭清術について
藤井 隆佐藤 武男吉野 邦俊馬谷 克則稲上 憲一橋本 典子上村 裕和長原 昌萬
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1995 年 5 巻 2 号 p. 151-157

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抄録

 1979~91年の声門上癌N0手術症例148例を対象に,予防的頸部郭清術の適応と郭清範囲を検討した。潜在性頸部転移例は46例(31%)で,両側転移は20例に,傍気管転移は4例にみられた。T病期別頸部転移率は,T1,0%(0/1);T2,17%(9/54);T3,36%(24/66);T4,48%(13/27)であった。T病期分類と佐藤分類を用いることにより,予防的頸部郭清術の適応(潜在性頸部転移率20%以上)は,T3・T4症例と一部のT2症例(transglottis,lateral typeとsupraglottis,median type)と考えられた。郭清範囲は,transglottis,lateral typeは患側の,それ以外は両側の内深頸リンパ節群であり,顕著な声門下進展例では傍気管部郭清も必要と考えられた。

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© 日本頭頸部外科学会
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