農業土木研究
Online ISSN : 1884-7218
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もぐら暗キョに関する研究 (II)
水田土壌条件とセン孔機のケン引抵抗とについて
庄司 英信長崎 明石川 武男涌井 学
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1958 年 26 巻 4 号 p. 181-186

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抄録

もぐら暗キョ施工に際して, 作業方法や作業能率などに影響ある水田土壌条件について現地試験を行い, 次のような事項を知ることができた。
1. 水田におけるセン孔機の平均ケン引抵抗 (深さ60cm) の大きさは含水比そのほかの条件にもよるが, だいたい土性別には泥炭土で350~400kg, 植土および植壌土で500~700kg, 壌土および砂壌土で800~1000kgであり, 砂質土は施工が困難である。同じ土性でも含水比が大きくなるとケン引抵抗は小さくなる。
2. セン孔深さとケン引抵抗との関係は普通, 上向凹型の曲線的変化をするが, 下層土が軟弱の場合には長いS字形を呈するようになる。土性別では概略, 泥炭土, 植土, 植壌土, 壌土および砂壌土の順に, 潔さに応じて次第にケン引抵抗の増加割合が増大する。
3. 種々の土壌条件をコーンペネトロメータの貫入抵抗で示される土壌硬度で代表せしめると, 深さおよそ90cmの範囲における水田の土壌硬度相には, 模式的にみて大体4種に区分し得る類型のあることが認められる。
4. この土壌硬度とセン孔機のケン引抵抗Qとの間には概賂Q=pm (A+3B) なる関係がある!これによってセン孔潔さ (普通60~72cmぐらい) までの平均の土壌硬度pmを前もって実測しておけば, その場合のケン引抵抗Qを予察することができ, 施工の段取りや適当な対策を講ずるのにはなはだ便である。

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