農業土木学会誌
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栃木県東南部中山間地帯における事例
昭和61年10号台風災害
松川 進岸 成光沼部 和弘千賀 裕太郎
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1987 年 55 巻 6 号 p. 519-524,a1

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抄録

昭和61年10号台風により栃木県では, 県東南部の中山間地帯を中心に被災した。被害の特徴は農地被害 (斜面崩壊, 畦畔崩壊や越水による土砂堆積) の発生比率が半数を占め, 次いで水路, 道路の比率の順であった。また, 1件当りの被害額は比較的小さく, 河川, 水路, 道路沿いを中心に被害が地域全体に点在した。
247件の災害査定を受けた烏山町の事例から, 圃場整備の実施の有無, 地形勾配および災害発生件数との関係を分析した。その結果, 単位面積当りの被害件数の割合から, 1/100以上の急傾斜地帯では事業効果は不明瞭だが, 1/100以下の緩傾斜地帯では防災上の効果のあることが判明した。

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© 社団法人 農業農村工学会
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