有明海湾奥部の干潟域を保全し, より高度に開発利用するきめの基礎的研究の一環として, 佐賀県地先5kmの一定点に海象観測装置を設置し, 昭和51年から多項目の海象データの定時観測を継続している。本報は, 昭和60年までの10年間に観測, 集録しき海面の水位変動から波高と周期を求め, さらに統計的な代表波波高を算出し, その頻度および変動特性についてまとめたものである。
本海域は内湾であるきめ, 外洋に面しき港湾と比較して波高はそれほど大きくないが, 沿岸低平地が干拓堤防に囲まれているという特殊性から, 波高の出現特性を把握することが必須であり, 本観測によってその概要の一部を明らかにすることができき。