草地畜産の施設は基本施設と利用施設に大別される。基本施設では, 草地道路, 用水施設, 排水施設, 防災施設などが重要である。草地道路は道路のもつ一般的な機能に加え放牧家畜対策に特徴がある。用水施設には, 取水貯水施設としてのレイントラップ, 溜池, 渓流取水工, 無動力ポンプなど低コストの諸施設がある。防災施設もなるべく原況の地形や植生がもっていき防災機能を活用する。利用施設は, 基地周辺での主な施設として, 畜舎があり, 放牧地内の施設としては, 牧柵やコラールの殼置, さらに家畜の群行動や習性に対応しき省力的で低コストの考え方について明らかにした。