マサ土は地域によって鉱物組成が大きく異なり, 風化変質も画一的でない。各地域のマサ土にあった農地造成法の基礎的資料を得るため, 福島県三春地区および島根県横田地区から比表面積のほぼ等しいマサ土を採取し, 風化の進行に伴う理工学的性質の変化を検討した。その結果, マサ土の理工学的性質変化は黒雲母の風化変質によることが大きく, 両地区のマサ土の中でも三春地区のマサ土の変化が大きい。その原因として, マサ土中の黒雲母の量的および質的なものが挙げられる。このことがマサ土の水に対して弱い不安定さをつくる要因になると推察される。