1990 年 58 巻 12 号 p. 1189-1192,a1
物理的根拠が不明確であるとされているUSLEの降雨係数・EIについて, 1時間雨量との関係をアメダスデータを用いて統計的に解析した結果, 一連続降雨のEIは各時間雨量riの2乗和Σri2と強い相関を示した。このΣri2は, 流砂量式に基づく土壌流亡量式における水理量に関わる係数qb (q: 流量, b: 定数) に相当し, bも従来の知見とよく一致した。このことから, Σri2を降雨係数REとしてUSLEにおいて使用することを提案した。REは従来のEIより計算が簡略であり, かつ侵食の機構を考慮した降雨係数と考えられる。