礫耕施設の高度の水管理を目指す上で重要な, 栽培下の蒸発散量から蒸散量の分離評価を行う試みを実施した。一日の蒸発散量は培養液槽の測定により正確に求まる。本報では, ベッド内礫面蒸発速度を, 金網容器を用いた直接的測定により得た。その場合, 容器の面積寸法などをいろいろ変えて, 礫面蒸発速度を比較検討した。その結果, ある程度の精度で蒸発速度が求められることが分かった。また, 蒸散量はガラス室内日射量に強く依存するとの文献の教えを援用して, その値を求めた。この蒸発散量の推定値に基づいて, ガラス室換気量を推定した結果, 実測の換気口気流速と一致した。夜間の蒸散量は無視できることがわかった。