農業土木学会誌
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八郎潟干拓地重粘質水田土の粗孔隙の発達とその意義
佐藤 照男
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1992 年 60 巻 1 号 p. 25-30,a1

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抄録
八郎潟干拓地低湿重粘土水田の作土, 硬盤, 心土の層内, 層境における粗孔隙の連続分布と発連状況について, X線造影像を中心にその形態的, 構造的特徴を明らかにした。とくに水稲根が腐朽して形成される根穴すなわち根成孔隙は土層中に高密度で分布し, 土壌基質の構造変化に直接かつ重要な影響を及ぼすであろうこと, また孔隙の形成が干拓地土層の土壌化過程と緊密に連携していることについて考察した。また, 透水性を左右するのは粗孔隙量でなく, 粗孔隙の太さや屈曲性といった孔隙の形態と連続性であることを, X線造影像と実験で明らかにした。また, 水稲根が作る土壌孔隙構造をうまく活用する農法追求の必要性を指摘した。
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© 社団法人 農業農村工学会
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