急勾配階段工粗度水路の水理特性

抄録

急勾配流れの制御の一方法として, シュート内に小階段工を連続的に設置して流下エネルギを減殺させることを試みた。この流れは小流量時には独立した階段工の流れになるが, 流量が増大すると階段工状の粗度要素をもつ水路の流れに変化するので階段工粗度水路と仮称した。この水路の流量増大に伴う流況や抵抗特性の変化を実験的に追究した。流況は流量増大につれ, 階段工流, 粗面流, 滑面流 (いずれも仮称) に移行する。抵抗特性はKnight-Macdonaldの方法により, 水路勾配, 階段工種類に無関係に, 粗面流, 滑面流ごとに一つの関係式で示されること, また, 階段工のないシュートよりはるかに減勢される (特に粗面流で) ことを示した。