1993 年 61 巻 5 号 p. 435-440,a2
魚道の幅員を決めるには, 下流への放流量と魚道の構造性, 建造費を検討した上で, 魚道内流量を決め幅員を決めている。しかし一般的には「幅員率」を堰長の3~5%の程度にするのが良いという通説が適用されている。
約1,200カ所の魚道について, 幅員と堰長, 幅員率の分布, 幅員率と遡上の良否を調べ, 3~5%の率で良いかを検討した。率~3, 3~5, 5~10%の間では大きな差は認められず, 遡上は幅員率の大きさだけでは論じられないといえる。率が大きければ遡上を良くするということも確実には言い切ることはできない。このようなことから魚道幅を決めるインデックスとして「幅員率」を用いるべきでないと提案している。