南部アフリカに位置するザンビアでは, 河川の氾濫原やダンボと呼ばれる台地上の窪地などの湿地で, 水稲が栽培されている。これらの湿地は周辺の台地から地下水の供給を受け, これが天水とともに水源となっている。このような湿地の特徴を有し, コメの特産地である西部州モング地域において, 国際協力事業団農業実証調査が実施された。その結果, ザンベジ川氾濫原縁辺部に対する潅漑の重要性, 適切な潅漑手法および農地整備手法等が明らかとなった。これらの成果に従い, 縁辺部に対する水田整備を進めるとともに, その他の湿地の水田における栽培技術的改良を組合せることにより, 湿地の生態系保全と農業生産との調和を図ることが可能となる。