1993年の作況指数は, 青森県全体で28, 西津軽で36という1913年以来の大冷害に見舞われた。その原因は戦後最悪の気象条件や単一品種の普及の他に, 実測データより7月の低温時, 平年並に中干しを行っていたり, 湛水深が少ないこと等, 深水潅漑の指導が行き届いていなかったことを指摘した。さらに, 水温の問題や現行の水利施設で必要水量を確保できたかを検討した。冷害を回避するためには一般的に言われている品種, 肥培管理, 地力とともに深水潅漑も有効であることを湛水深と稔実歩合との関係から示した。水管理面からの対策としては畦畔高の確保, 深水潅漑に即応できる水量の確保, 冷水温障害に対応するための昇温施設の整備・改善を提案した。