1999 年 67 巻 4 号 p. 349-355,a1
農業土木の歴史的展開を, 明治38年の耕地整理, 戦後の農業土木ハンドブックの内容から分析をした。その中から基本的枠組みは変化していないこと, しかし, 細分化が進められていること, 経験式を主体とする数式が増加していることなどを論じた。また, 農業工学とAgricultural Engineeringの相違を説明し, その認識の差が今日の大学や社会における課題の原因といえることを論じた。さらに, 農業土木の特徴を, 技術者という視点から公的基準, 有資格者, エンジニア教育という三点から説明した。最終的には新たな技術体系の構築の意味, その事例, アクレディテーションやAPECエンジニアについて論じ, これからの行政, 研究, 民間の連携が重要であることを問題提起した。