いさわ南部地区は, 岩手県南西部胆沢川右岸に展開する標高100~200mの丘陵地に位置しており, 地区面積883haの農地再編整備事業を行うものである。「えぐね」と呼ばれる屋敷林を有する散居景観はよく知られている。
1,300余種にも及ぶ現況動植物調査結果が示すように, 当地区は生物相が豊かであり, さまざまな環境が良好なビオトープネットワークを形成している。この良好な現況を原点と考え, 生物, 景観 (人が地上に立って認知できる狭義の空間), そして, 水に着目し, 構造物本来の機能を維持しながら生き物と共生する区画整理構想を立てた。
さらに, 生態系に配慮した整備構想立案, その実現に向けての留意事項, 過程等について評価を試みた。