1999年7月21日から8月11日にかけて, 高知県では台風第5, 7, 8号と熱帯低気圧に伴う豪雨により各地で災害が発生した。8月10日から翌日未明にかけて紀伊半島から近畿へ北上した熱帯低気圧に伴う局地的な豪雨により, 県東部では土砂崩れ, 河川氾濫堤防決壊, 農地流出・埋没などの災害が発生した。
室戸市では, 羽根川の中・下流域, 西の川と東の川の中・上流域を中心とした中山間地域に被害が集中した。西の川下流部の中の川地区では堤防の決壊により収穫時期にあった圃場整備完成直後の水田が甚大な被害を受けた。本報では, 降水データをもとにこの豪雨特性を明らかにし, 中の川地区における農地被害状況とその復旧計画の概要にっいて述べる。