2002 年 70 巻 11 号 p. 989-993,a2
サブサハラ・アフリカ (以下,「SSA地域」) では, 急速な人口増加と頻発する干ばつにより, 食料不足は年々増加の傾向にあり, 輸入と食料援助に頼る傾向をますます強くしている。このことが, SSA地域の恒常的な貧困と経済の不安定, 社会不安をもたらし, さらなる人口増加と土地劣化に拍車をかけている。この地域における食料の確保と貧困の緩和のためには, 安価で効率のよい小規模な灌漑施設の整備が前提となる。このため, 人口増加に見合う食料確保の観点から, 地域内における灌漑政策案を提案した。降雨依存農地においては, ウォーターハーベスティングなど小規模な水土保全対策を, 流域単位で展開していくことの重要性を強調した。