住民主体による地域づくりの必要性が叫ばれてすでに40年近くなる。この間何回か山や谷があったが, 1999年の「食料・農業・農村基本法」の制定や2001年の「土地改良法」の改正で, 再度環境との調和への配慮や住民参加が重要視されるようになった。まずこれらの視点を考慮して, 考案してきた「神出方式」について概説する。次いで神戸市西区神出地区において土地利用秩序や水利用秩序の再編や国道バイパス・都市計画街路等との調整をしながら約700haに及ぶ圃場整備事業を実現させ, その後集落排水事業や市民農園, 営農組織里づくり事業等に展開していった先駆的な事例について述べる。