日本に生息する爬虫類はヘビ類・トカゲ類とカメ類で, これらは里地里山生態系の中でも重要な役割を演じているが, 農地の環境改変により, 他の生物同様個対数が減少する等生物多様性の低下が見られる。しかし, 農地における爬虫類の生息状況はほとんど把握されておらず, その生態調査の実施は急務である。ヘビ・トカゲの調査はルートセンサスが基本であり, 観察した種を同定し個体数を記録する。カメの場合は, それに加えてトラップによる捕獲調査を行う。これらのデータを分析し, 圃場整備が実施された水田と未整備の水田の爬虫類の生物多様性を比較して, 生態的特徴に配慮した圃場整備・農業土木技術を創出することが必要である。