沖縄県宮古島における大規模地下ダムによる水資源開発

抄録

緑資源公団は沖縄県宮古島において, 干ばつによる農作物への被害を解消し, 安定した農業用水を確保するための地下ダム建設事業を行った。本地下ダムは, 総貯水量が約10百万m3という世界でも類を見ない大規模なものである。宮古島では島全体が空隙の発達した琉球石灰岩に覆われており, 地下水の貯留率が高い地質条件を生かして地下ダムの建設が事業化された。本事業は地下ダムの堤体と取水施設の設計・施工を一体的かつ総合的に行ったもので, 地下ダム建設技術の発展に貢献したと考えている。
事業の経緯と実施の概要を述べ, 完了後の状況について報告する。