農業土木学会誌
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農業土木技術者のための生き物調査 (その8)
両生類調査法
長谷川 雅美
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2003 年 71 巻 5 号 p. 423-428,a3

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抄録

本講では, 水田で繁殖するカエル類の生活史と住み場所の特徴を紹介した後, 生息個体数を把握するための方法として, 卵塊のカウントと標識再捕獲法に基づく個体数推定について紹介する。さらに, 生息数の長期的な動態を効率よく行うためのセンサス方法として, 時間/距離当たりの遭遇個体数センサス, 鳴き声のセンサスについて解説した。現時点で最も必要な調査は, 比較的良好な水田環境に生息するカエルの種類ごとの個体数と生物量を評価することであり, それなしに, 生態系に配慮した圃場整備における保全あるいは復元の目標値を持ち得ない。

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© 社団法人 農業農村工学会
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