農業土木学会誌
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降雨の影響を考慮した地すべり防止計画の事例
国光 正博
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2004 年 72 巻 4 号 p. 305-308,a3

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抄録

地すべり現象は降雨や融雪に伴い発生することが多く, 浅い地すべりでは降雨と地すべり現象の相関は強いといわれている。そこで, 北海道沼田町の幌新第3地区を事例として, 自記観測データを基に間隙水圧を雨量から予測する計算方法を開発し, 計算値を観測値と比較したところ, 高い相関係数を得た。この方法を用いて確率雨量に対して発生する確率的間隙水圧を予測し, 地すべり防止計画を確率的に説明した。また, 地すべり移動量と間隙水圧との相関が強い場合には, 地すべりが発生する臨界の間隙水圧を数式から推定し, 安定解析に利用した。これらの解析結果を利用して, 地表水排除工の計画設計や完成後の評価についても具体的方法を提案した。

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