第9回講座では, 群集構造の序列化手法として代表的なDCA, CCAを中心に解説し, それぞれが持つ特徴と注意点を考察した。DCAは, 群集データに特徴的なアーチ効果を強制的に排除できるが, 意味のある構造を破壊してしまう可能性がある。CCAは, 過去の調査に基づいて, 群集構造を決定する要因がある程度想定できる場合に有効である。DCAで環境要因を絞り込んでからCCAによる序列化を行う, あるいは, 前回講座で紹介したクラスタリング手法と序列化手法を組合わせて結果の妥当性を検討する, 等の工夫が必要になるだろう。