2016 年 35 巻 2 号 p. 108-116
本邦においては、国内未承認薬で代替品がなく、外国で受けた薬物治療を継続する必要がある場合等を想定し、医薬品の個人輸入が認められている。しかし、一般消費者がインターネット上の個人輸入代行サイトを介して、性機能改善薬(ED 治療薬)や抗肥満薬、点眼薬、抗アレルギー薬、 抗精神病薬などを購入している実態が報告されており、本来の枠組みから外れた医薬品の個人輸入が散見される。一般消費者が処方箋なしにネットを介し一般用医薬品以外の承認及び未承認医薬品を入手可能な現状に大きな問題がある。そこで、2017 年7 月31 日に「リスクが潜む医薬品の個人輸入:偽造医薬品だけにとどまらない危険性」をテーマとした社会薬学フォーラムを開催し、下記の演者による講演を行った。現在の医薬品個人輸入に係る制度のネット社会への適合性や、その監視体制のあり方を見直す機会となった。<企画委員会>