2021 年 20 巻 2 号 p. 129-137
本研究では,スマートフォン(以下スマホ)使用に対する調和性パッション(以下HP)と強迫性パッション(以下OP)がスマホ依存,精神的健康,不眠傾向に与える影響を明らかにすることを目的とし,大学生に対して質問紙調査を行った。その結果,HPはスマホ依存の一部の変数と不眠傾向に負の影響,精神的健康に正の影響を示し,OPはスマホ依存と不眠傾向に正の影響,精神的健康に負の影響を示していた。これらの関連が示されたことにより,適切なスマホ使用と問題のあるスマホ使用とを区別した効果的な心理教育的援助サービスを提供できる可能性が示された。