2008 年 23 巻 3 号 p. 3_291-3_300
医療業界の電子化の中で、NST活動でも着実に電子化がすすんでいる。しかし、他の業務に比べると歴史の浅いNSTのアプリケーション開発は遅れ気味であり、現在は暫定的な運用と言える。NSTでは多くのファイルに分散している医療情報を集約・分析して、栄養管理(栄養処方)を計画して、これらを記録・蓄積し、その活動履歴からアウトカムを出すことが必要である。このような情報の処理は電子化での最大のメリットであり、これらの効率化で得られる時間的な余裕をNSTのようなチーム医療ではかねてから求めてきた。したがって、これらの関連情報を効率よく一元化管理し、ユーザーに快適なアプリケーション開発が望まれる。さらに、業界側でも活動の標準化が求められており、そのためには過去の運用にとらわれることなく、これからの栄養療法の標準化やエビデンス構築のために、合理的なコンセンサスを得る努力も必要となってくるであろう。