2019 年 61 巻 4 号 p. 253-260
技術科教育においてアクアポニックスを題材とした各内容を統合する教材を提案する。アクアポニックスは陸上養殖と水耕栽培を連結した食料生産システムである。このシステムを中学校技術科で扱うことで,食料生産や循環型社会に関する技術について体験的に学習することが期待される。また,製作教材として扱うことができれば,学習指導要領に示された統合的な問題として機能すると考えた。そこで,製作教材としてのアクアポニックスを開発し,作物と水産生物の栽培が可能であるか検証を行った。その結果,製作教材としてのアクアポニックスは作物を成長させ,水産生物を一定期間栽培できた。したがって,技術科教育において製作教材としてのアクアポニックスを利用する指導が可能であることを示唆した。