令和2年11月に大学入試センターから各教育委員会や関連団体などに対して「平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した大学入学共通テスト「情報」試作問題(検討用イメージ)」の通達があり,さらに令和3年3月には同センターより「サンプル問題『情報』」が公開された。いずれの問題においても,各問題の出題傾向から,知識・技能よりも思考力・判断力・表現力が重視されていることが感じられる内容になっている。本研究では,試作問題のうち第4問「交通渋滞シミュレーション」を授業で取り上げるとともに,授業の前後で生徒に第4問を解答させた。本研究の目的は,授業の前後で第4問を生徒に解答させて正答率を調査し,シミュレーション問題を解くために必要な力について考察することである。生徒の解答を分析した結果,シミュレーション問題を解くためには,「複数のデータやグラフから情報を正確に読み取ることができる分析力」および「問題文から問われている事柄を正確に読み解くことができる読解力」が必要であることが明らかとなった。