地すべり
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第三紀層神戸層群における農地地ずべりに関する研究
第5報 神戸市K-地区における農地地すべり斜面の安定解析
石田 陽博尾崎 叡司坂根 勇
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1985 年 22 巻 1 号 p. 7-14

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抄録

地すべり抑止工としてC. I. P.コンクリート杭が施工された。神戸市北区K-地区における農地地すべり斜面について, 杭施工前後の安全率を解析し, 次の結果を得た。
1) 土塊の粘着力C及び内部摩擦角φの減少に伴い斜面安全率は減少する。
2) 簡便法による杭施工前斜面安全率の計算値は, 斜面が安定状態でないことを示した。
3) Bishop法による修正値は, 簡便法による計算値との差が僅小であった。従ってBishop法による修正値も斜面が安定状態でないことを示した。
4) 計算機による杭施工前斜面安全率の計算値も1.2以下で, 斜面が安定状態でないことを示した。
5) 地下水位が深く, すべり面が浅いK-地区の場合, 杭施工前斜面安全率はかなり大きい値を示した。
6) 杭施工後の斜面安全率は増加し, 斜面が安定状態になったことを示した。
7) 抑止工の経済性を検討した結果, 杭施工前斜面安全率がかなり大きい場合, 杭間隔をある程度拡大しても斜面の安全を得られらことが判明した。
8) 同様に杭列数を減らしても, 斜面の安全を得られることが判明した。

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© 社団法人日本地すべり学会
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