抄録
降雨による大規模な斜面崩壊実験を行い, 崩壊の直前における斜面表面の移動速度と加速度の関係がd2x/dt2=a(dt/dx)α(d2x/dt2: 加速度, dt/dx: 速度, a・α: 定数)であらわされることを示した。著者の実験ではα=1.5~2.2であり, α>1の範囲の積分したX={a(α-1)}1/(α-1)・(tr-t)1/α-1)(X=1/(dt/dx): 速度の逆数, tγ: 積分定数)は1<α<2, α;=2,α>2でそれぞれ凹, 直, 凸の一様減少な曲線である。この曲線において, Xが0(速度が無限大)になるtγを崩壊時刻と見なすことにより, 容易に崩壊時刻を予知できる方法を示した。さらに, 変形した式X・(dt/dx)=-(α-1)(tγ-t)より, α;≠2の, 場合に正確な予知が可能であることとその図式解法を示した。