1920年12月16日に中国大陸で発生した大規模な海原 (Haiyuan, M=8.5) 地震の際に無数のレス地すべりが発生し, 大きな被害が生じた。本論文では海原地震時に発生したレス地すべりについて, 地すべり運動に関する研究においてよく使用されている等価摩擦係数に注目し, 統計的な手法でその特性及びその値に影響を与える要因について検討した。
海原地震時のレス地すべりは降雨を誘因として発生したレス地すべりに比べて等価摩擦係数の値は小さく, 流動性が高い。その原因は地震時のレス地すべり内に, 発生した高い過剰間隙水圧または液状化にあると考えられる。