抄録
地形降雨条件が不飽和状態の急勾配砂質土斜面のせん断変形に与える影響を検討し, 早期の斜面変状の検知が容易となる条件, つまり斜面変形が早い時期に顕著になる条件について検討すべく, 筆者の開発した「降雨浸透に伴う急勾配砂質土斜面のせん断変形モデル」 (笹原, 1999) を用いて各種地形降雨条件下の斜面のせん断変形を追跡し, 地表面変位計測の適用性について検討した。その結果無限長斜面においては, 斜面勾配及び土層深が大きくなるほど地表面変位は早期から顕著に立ち上がり, 地表面計測が斜面変状検知に有効であるが, 降雨強度が変化しても地表面変位曲線の形状は変化しない。また斜面内が湿潤である場合と乾燥状態である場合は, 前者の方が地表面変位の立ち上がりが早いが, 乾燥状態では含水率が変化しても, 地表面変位曲線形状への影響はない。