1986 年 11 巻 3-4 号 p. 155-164
アブラコウモリの舌背表面を走査電子顕微鏡によって観察し, 次のような結論を得た。
1) アブラコウモリの舌背には, 部位により形の異なる糸状乳頭が分布しており, 各糸状乳頭の分布域の境界は, 明瞭に識別できる。糸状乳頭の他に, 舌背には茸状乳頭, 有郭乳頭が分布している。
2) 種々の糸状乳頭の円形斜面や基部では, microridgeは比較的明瞭であるが, 中程から上部にかけては, いずれの糸状乳頭でも, microridgeは不明瞭である。茸状乳頭や有郭乳頭の中央頭部では, やはりmicroridgeは不明瞭である。また, 乳頭間部, 有郭乳頭の外郭部や舌根部の上皮表面には, microridgeが広く分布している。