企業や団体の組織では,一般的には業務効率化,製品・サービスの均質化を目指して構築されるケースが多い。危機対応は,重大な事案については対策本部や再発防止委員会等の臨時のプロジェクト型の組織が活用される。また,クレーム対応などの軽微で頻度の高い業務では,常設の組織を設置することもあるが,対応業務では,テクニックを駆使し早期の解決を主眼に置くものが多い。本報告では,主体的対応と合理的対応とに整理・区分を行う戦略型初期対応を活用した危機対応に関する権限,責任および役割について考察し,いかなる事態に破綻せず,ぶれない対応を実現する仕組みについて提言する。