哺乳動物卵子研究会誌
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スナネズミ(Mongolian gerbil; Meriones unguiculatus) 卵管内における精子の分布と先体反応について
佐藤 嘉兵森下 克則
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1988 年 5 巻 1 号 p. 14-25

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抄録

精巣上体尾部精子を用いて人工授精を行い、その後のスナネズミ卵管内における精子の分布と先体反応について調べた。成熟雌スナネズミにPMSGとhCGを用いて過排卵処理を行い、hCG注射後2時間目に麻酔下で開腹し、子宮内に精子懸濁液を注入して人工授精を行った。精子注入後30分に運動精子の多くは卵管狭部下部 (lower isthmus) に認められた。そして、1時間後には大多数のものが上部狭部に移動していた。しかし、卵管膨大部に初めて精子が認めれたのは授精後7時間目であった、授精3時間後にlower isthmusから回収した精子においては先体反応は観察されず、11時間後の卵管膨大部の精子では、ほとんどのものが先体反応を開始していたか誘起していた。この時期には、排卵した卵子ではずでに受精が観察された。

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