哺乳動物卵子研究会誌
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マウスの加齢に伴う卵母細胞の脂質含量の変化
成田 成新村 末雄石田 一夫
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1990 年 7 巻 2 号 p. 61-65

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抄録

30日齢、60~90日齢および180~210日齢のマウスから採取した排卵直後の卵母細胞について、スダン好性脂質 (脂質一般)、類脂質および中性脂肪の検出を組織化学的に行い、これらの量が動物の加齢に伴って変化するか否かを調べた。
各日齢のマウスにおいて、ほとんどすべての卵母細胞は一般脂質と類脂質を少量ないし多量含んでおり、これらの脂質の含量は各日齢の動物の間で差がなかった。一方、中性脂肪は30日齢のマウスの卵母細胞には検出されなかったが、60~90日齢および180~210日齢の動物の卵母細胞の1.0%と6.3%に、それぞれ少量観察され、180~210日齢の動物における割合は60~90日齢の動物のものに比べて有意に高かった.これらのことから、動物の加齢に伴って、卵母細胞のスダン好性脂質と類脂質の含量には変化がみられないが、卵母細胞に中性脂肪が出現し、これを含有する卵母細胞の割合は増加することがうかがわれた。

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© 日本哺乳動物卵子学会
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