気象集誌. 第2輯
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Invited Review Articles
海上の下層雲と気候モデルにおけるそのパラメタリゼーション
川合 秀明重 尚一
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2020 年 98 巻 6 号 p. 1097-1127

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抄録

 本レビュー論文は、気象学の幅広い分野の読者を対象に、海上の下層雲の基本的な知識と、全球気候モデルで使用されるそのパラメタリゼーションの概念について説明することを目的としている。論文の前半では、海上の下層雲の基本的な知識と、気候モデルにおけるその重要性についてわかりやすく説明する。ここでは、海上の下層雲の全球分布、関連する重要な物理プロセス、観測的研究とモデル研究の代表的な例、気候シミュレーションにおける下層雲変化の重要性などが説明される。論文の後半では、全球気候モデルで雲量と雲水量を決定するための雲のパラメタリゼーションの概念(雲マクロ物理 “cloud macrophysics” と呼ばれることもある)を紹介する。そうしたパラメタリゼーションにおいて鍵となる要素は、大きさが数十~数百kmの大きさのモデル格子内の水蒸気と雲水量の非一様性をどう仮定、または決定するか、ということである。そうしたモデルにおける雲の表現に関して今後20年程度の間に取り組むべき課題についても議論する。

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© The Author(s) 2020. This is an open access article published by the Meteorological Society of Japan under a Creative Commons Attribution 4.0 International (CC BY 4.0) license.
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
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