抄録
地上から高度約500mまでの気層中における風の微変動の測定を行なうため,係留気球に取付けるバイベーンを開発した.鉛直および横風方向の風の微変動が小型のバイベーンと磁気コンパスによって測定される.測定値は無線によって地上へ送られる.このバイベーンの応答特性を調べた結果,ベーンの距離定U/ωnξ(但し,Uは風速,ωnは固有振動数,ξは制動比)はほぼ一定となり約1.6mであった.予備観測では周波数範囲0.05~1Hzの変動のスペクトルが良好に測定できた.また高度500mまでの乱流強度,スペクトル密度が最大になる周波数npの分布が測定された.